1-1. 訪問診療(在宅医療)とは

訪問診療とは、病院へ通院することが困難な患者様に対して、医師が定期的、計画的に自宅を訪問して診療を行うものです。かかりつけ医として普段から定期的に診療をさせていただくことで、いつもの様子や変化の兆候を把握できるため、急な病状変化のときも、患者様やご家族様の希望に沿って対応することができます。
安心してお過ごしいただけるよう、当クリニックでは24時間365日医療的支援を行っています。
原則として月2回以上、あらかじめ計画した日時に医師がご自宅を訪問し、診察・検査・処置・お薬の処方などを行い、療養生活全般について相談に応じます。

  • ※交通事情や緊急対応などにより訪問時間に1時間ほど余裕を持たせております。
  • ※記載の時間はご自宅への到着予定時間です。
  • ※緊急性が高い場合でも診察状況や交通事情により30〜60分程度かかることがあります。
  • ※交通事情により大幅に遅れる場合にはご連絡をいたします。

1-2. 訪問診療の流れ

当院の訪問診療が開始されるまでの大まかな流れは次の通りです。

お問合せ
ご契約を希望される、訪問診療の詳細を聞きたい等と言った場合、まずはご連絡ください。担当ケアマネージャー様がおられる場合は、ケアマネージャー様よりご連絡をお願いします。
訪問、打ち合わせ
患者様のご自宅や施設を訪問し、患者様・ご家族の方などと面談します。面談では病状のヒアリングをするほか、ご質問等もお伺いいたします。
診療計画の作成
患者様等に行ったヒアリングなどを元に、当院で診療計画を作成します。患者様の状態、ご希望の訪問回数等を考慮しながら設定します。
開始後に病状変化などによって診療内容の変更を希望される場合にも、柔軟に対応いたします。
お申込み(ご契約)
当院の診療内容にご納得いただけ、訪問診療を希望される場合は、同意書にサインいただき契約となります。また、保険証の他、入院・通院中の方は、診療情報提供書、健康診断書も合わせてご提出いただきます。
訪問診療の開始
初回の訪問日時を決め、訪問診療開始となります。

1-3. 訪問可能エリア

訪問診療エリアは、当院から半径16㎞の範囲となっております。ご自宅がエリアの範囲にあるか分からないなどの場合は、お気軽にお問合せください。

訪問可能エリアイメージ

主な診療エリア

三鷹市、武蔵野市、西東京市、小平市、小金井市、国分寺市、府中市、調布市、杉並区、練馬区、世田谷区

2. 当クリニックで可能な検査・処置

問診、視診、聴診、打診、触診、体温、血圧、脈拍、血中酸素濃度測定といった日常診療に加え、以下の検査、処置、管理が可能です。

※レントゲン検査、CT・MRI検査等、より専門的な設備を要する検査が必要な場合は当クリニックから診療情報提供書を発行し、連携病院にて施行可能です。

定期的な健康観察 ◎血液検査 ◎尿検査
神経機能の評価 ◎認知症検査 ◎神経診察(筋力、痺れ、反射、等)
内臓機能の評価 ◎心電図検査 ◎超音波検査(心臓、肝臓、腎臓、膀胱、血管、等)
呼吸の補助 ◎在宅酸素療法 ◎BiPAP、CPAP ◎気管切開カニューレ交換 ◎人工呼吸器 ◎たん吸引 ◎ネブライザー
栄養の管理 ◎嚥下機能評価 ◎経鼻胃管 ◎胃ろう ◎腸ろう ◎中心静脈栄養、C Vポート
排泄の管理 ◎尿道留置カテーテル ◎膀胱ろう ◎膀胱皮膚ろう、尿管皮膚ろう ◎大腸ストマ
床ずれの治療 ◎褥瘡処置(洗浄、デブリドマン)
痛みの緩和 ◎麻薬処方 ◎腹水穿刺 ◎携帯型精密輸液ポンプ ◎輸血

3. 病院への通院について

訪問診療を受けながら病院にかかることも、もちろん可能です。その場合には病院と当クリニックとで経過や治療方針について綿密に情報共有を行い、内容につきましては患者様・ご家族様へきちんとご説明いたしますのでご安心ください。

4. 病院への入院について

体調や療養環境の変化などにより入院が必要になった場合でも、患者様・ご家族様のご希望に沿って対応いたします。
入院をご希望された場合には病院への連絡、診療情報提供書の作成、搬送指示を行います。
原則的にはご紹介をいただいた病院、以前受診したことのある病院に依頼をしますが、当クリニックは大学病院をはじめ地域の病院に連携登録医療機関として登録されておりますのでご要望をお聞かせください。

※ご病状や依頼先の病院の受け入れ状況によりご希望に添えない場合もございます。その場合でも消防庁と協力して搬送先を探します。

5. お薬について

お薬が必要な場合は院外処方箋を発行いたします。お近くの薬局へ処方箋をお持ちになりお受け取りください。薬局によってはFAX処方箋を受け付けていたり、患者様のご自宅へ薬局から薬剤師が訪問しお薬をお届けする制度(訪問服薬指導)もございますので、ご希望の場合はお知らせください。
また、医療材料につきましても薬局でお受け取りいただく場合がございます。
お薬を安全にご使用いただくために、当クリニック以外からもらっているお薬やサプリメントなどがある場合にはお教えください。

6. 介護保険における主治医の
役割について

ご自宅でより良い療養生活を送るためには訪問診療以外に、多くの方の支援が必要です。ケアマネジャー様、看護師様、介護士様、各種療法士様、デイサービスやショートステイなどの施設様、福祉用具様、支援病院などと密接に連携を図り、患者様が最適な医療を受け、安心してお過ごしいただけるように努めます。
患者様やご家族様はもちろんのこと、介護サービスを提供する各事業所の方々から随時状態のご報告をいただくともに、当クリニックからも必要な助言や指導を口頭、電話、書類などで行います。
そのために患者様、ご家族様には情報提供に関する同意をお願いしております。

7. 他の医療機関と介護サービス事業者との
連携について

患者様の状況に応じて下記連携機関などときめ細やかな連携体制をとっています。
患者様同意の上、連携する施設間においてICTツール(メディカルケアステーション)で患者様の診療情報などを共有しています。

連携機関(一部)

  • つばさクリニック
  • もぐもぐクリニック
  • あじさい居宅介護支援事業所
  • ケアプランなのはな
  • すけさん訪問看護ステーション
  • ソフィアメディ訪問看護ステーション三鷹

※メディカルケアステーションとは?
患者様の治療やケアに必要な情報を関係職種間でインターネットによりリアルタイムに共有します。
厚生労働省のガイドラインに準拠したセキュリティで大事な情報を守ります。
詳細はこちら

8. 診察にかかる費用について

国が定める診療報酬制度に即してご請求申し上げます。
医療費(医療保険)と居宅療養管理指導費(介護保険)の自己負担額のお支払いにつきましては月単位でのご請求となります。

毎月15日前後に前月分の請求書をご自宅またはご家族様へ郵送させていただきます。
お支払いにつきましては、口座振替にて1ヶ月分をまとめて領収させていただきます。
口座振替は別紙申込書に必要事項をご記入ください。
口座振替開始には1ヶ月程度かかります。
口座振替手続き完了しました月の27日に一括で振り替えさせていただきます。ご了承ください。
費用につきまして、ご不明な点がございましたらお問い合わせください。

具体的な費用ですが、生活する場所がご自宅か施設か、お体の状態、自己負担割合等によって費用が異なります。
また、処置や検査、往診等を行った場合は別途費用がかかりますので、個別の費用については別途ご説明いたします。

次の表はあくまで目安です。

  • ※診療費は国の診療報酬改定により変更になる場合があります。
  • ※当クリニックの施設基準の変更により、診療費は変更になる場合があります。

月2回の訪問診療を行う場合の診療費・居宅療養管理指導費の目安(※お薬の費用は含みません。)

70歳未満の方

  • ※1 +(総医療費-842,000円)× 1%
  • ※2 +(総医療費-558,000円)× 1%
  • ※3 +(総医療費-267,000円)× 1%
限度額区分 月額診療費の目安 上限額
20,000~30,000円 252,600円 ※1
20,000~30,000円 167,400円 ※2
20,000~30,000円 80,100円 ※3
20,000~30,000円 57,600円
20,000~30,000円 35,400円

70歳以上の方

  • ※4 +(総医療費-267,000円)× 1%
  • ※5 +(総医療費-558,000円)× 1%
  • ※6 +(総医療費-842,000円)× 1%
負担割合 月額診療費の
目安
上限額
1割負担(限度額証なし) 6,700~10,000円 18,000円
1割負担(限度額証区分Ⅰ Ⅱ) 6,700~8,000円 8,000円
2割負担 14,000~18,000円 18,000円
3割負担(現役並み所得Ⅰ) 20,000~30,000円 80,100円 ※4
3割負担(現役並み所得Ⅱ) 20,000~30,000円 167,400円 ※5
3割負担(現役並み所得Ⅲ) 20,000~30,000円 252,600円 ※6

※悪性腫瘍、スモン、指定難病、先天免疫不全症候群、脊髄損傷、真皮を超える褥瘡、
人工呼吸器の使用、気管切開の管理、気切カニューレの使用、
ドレーンチューブまたは留置カテーテルの使用、人工肛門・人工膀胱の管理、在宅自己腹膜灌流、
在宅自己導尿、植え込み型脳・脊髄電気刺激装置による疼痛管理、
携帯型精密輸液ポンプによるプロスタグランジンI2製剤の投与
を行っている方は費用が異なります。

  • ※初診月は上記と異なります。(上記に初診料、往診料などが加算されます。)
  • ※当クリニックでは交通費(電気自動車の充電費用、高速料金など)、通信費はいただきません。

9. 求めに応じ訪問した場合の
往診料の目安

  • ※上記は往診料であり、別途診察料、検査料、処方料等がかかります。
  • ※電話にて治療上必要な指示(電話再診)を行った場合、定められた診療費がかかります。(1割負担で平日診察時間内80円、早朝・夜間140円、土・日・祝日270円、深夜500円程度)
1割
負担
2割
負担
3割
負担
往診料9〜18時 720円 1,440円 2,160円
緊急往診料生死に関わるような状況 1,570円 3,140円 4,710円
夜間・休日往診料6~8時/18~22時土・日・祝日9~18時 2,320円 4,640円 6,960円
深夜往診料22〜翌日6時 3,320円 6,640円 9,960円

10.ターミナルケア料金について

在宅でのお看取りとなりました場合、保険診療にてターミナル・ケア療養費として9,500円(1割負担の場合)をご負担いただきます。

※当クリニック診察後病院に搬送し24時間以内に亡くなられた場合も同様です。

  • 高齢者医療保険対象の方
    → 負担金額上限内に含まれます。
  • 高齢者医療保険対象外の方
    → 高額療養費制度の適応となります。

領収書は大切に保管されてください。

11. 診療の中止、契約解除させて
いただく場合について

当クリニックでは、安全で質の高い医療を提供するために、患者様・ご家族様との信頼関係が非常に大切であると考えています。
多くの患者様に適切な医療を受けていただくため、次の行為があった場合には、診療を中止または契約解除することがありますので、あらかじめご了承ください。状況により警察に通報する場合があります。

  • 治療に関する指導を遵守いただけない場合
  • 秩序を乱し、診療や業務を妨害する行為
  • 威嚇行為、暴力行為、セクシャルハラスメント行為、その他の迷惑行為
  • 大声や暴言で診療などに支障をきたす行為
  • スタッフに対する強要や執拗な要求行為と判断した場合
  • 複数回に渡りご請求期限までにお支払いが確認できなかった場合
  • 当クリニックの診療提供、運営、管理に重大な支障をきたす行為
  • 当クリニックの規則に反する行為や正当な理由なく指示に従わない場合